緑

千曲川絶唱の緑のネタバレレビュー・内容・結末

千曲川絶唱(1967年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

難病恋愛モノ且つ微妙に反戦映画。

昔は白血病=原爆被曝者の病気というのが
一般的認識だったのだろうか。
広島/長崎ではなくまさかのビキニ。
そう来たか感。

勝手にレア症例の患者の情報をマスコミに漏らす医者も
のこのこやってきて取材を強いるマスコミもクソ。
いしだあゆみ演じる美子もひどい。

北大路欣也は姿形だけでなく声も今と違いすぎ。
田中邦衛は安定の田中邦衛。

序盤の画面左から
海 砂浜 ガードレール 山の側面に2車線
で海側車線を走るを北大路欣也と田中邦衛が乗ったトラックを
後ろから撮っているシーン。
カメラの位置は恐らくガードレールの真上くらい。
トラックを追尾する車に撮影班が乗って
ハコ乗り状態でカメラを構えた?
相当のり出さないとあの画角にはならないような。
想像すると怖いけどすごい。

評判の列車とトラックの並走シーンは情緒の塊!
いまどき連結部分が空いている列車なんて
日本で走っているのだろうか。
ふたりの大声での会話は青春そのもの。
画も芝居もすべてが映画的だった。

ラストで千曲川に散骨する星由里子の配置完璧。
モノクロなのに川の煌めきが美しすぎた。
下手なカラーよりよほど雄弁。

撮影は「恍惚の人」と同じく岡崎宏三。
調べたらラピュタ阿佐ヶ谷では過去に
岡崎宏三特集を組んだことがあった。
「甘い汗」ではそこまで響かなかったので
今後また特集上映があるようなら
1967年以降の作品を狙って行きたい。
緑