緑

哀れなるものたちの緑のネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

自殺した女性の体で
その胎児の脳を移植され
肩がかわいいを通り越して
いかついパフスリーブの
服ばかり着る主人公が、
言葉を覚えたり、
わがまま言ったり、
自慰を覚えたり、
出入りの若い医者と婚約したり、
ペッティングを覚えたり、
育ての親のマッドサイエンティストに
宣言してから駆け落ちしたり、
セックスを覚えてどはまりしたり、
踊ったり、
船に乗せられたり、
本を読んだり、
渡した船員に着服されるとも知らず
貧民に寄付したくて
駆け落ち相手がカジノで稼いだ
金を渡したり、
船から降ろされた先で娼婦になったり、
駆け落ち相手を振ったり、
社会主義者の勉強会に出たり、
娼婦として成長したり、
末期癌のマッドサイエンティストの
もとに戻ったり、
医者を目指したり、
出入りの若い医者と結婚式を挙げかけたり、
元の体の人の旦那について行ったり、
クリトリスを切除されかけて
その旦那を撃ったり、
婚約者のところにそいつを持ち込んで
ヤギ人間(?)にしたりする話。

設定も話も人物造形もキメラCGも
カメラワークもおもしろかった!
カメラの魚眼レンズや
覗き穴から撮ってるっぽい映像になるときの
規則性はあるのだろうか。

イノセントな主人公と
駆け落ち相手が振り回されているときの
やり取りで何度も笑った。

濡れ場が多いのは知っていたが、
ここまでとは思わなかった。
エマ・ストーンがこなす数々の対位!
X字に固定されてのボールギャグや
女性との絡みや人前での行為もあり。
しかし果てるシーンはなく、
女性にクンニされているときが
最も気持ちよさそうだったこと、
フェラが一度もなかったこと、
クリトリスの死守などは、
男性優位な性行為ではなく
女性の快楽を肯定するための表現か。

主人公の体の旦那の登場は
蛇足かと思われたが、
クリトリス切除の話も
やりたかったんだろうな。

エンドロールの虎や
人体を集めて模った人の顔、
木版にぼんやり描かれたものに
江戸絵画へのオマージュが
あったように思うのだが、
あれらは本作のオリジナルなのか、
既存のアートなのかもわからず。

これまでに観たランティモス作品は
3本のみ。
4本目となった本作が一番好き。
緑