くるるるぶし

第9地区のくるるるぶしのネタバレレビュー・内容・結末

第9地区(2009年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

納得できなかった。
ずっとこれじゃない感というかS級の映画ではないな、と思ってしまう。別にS級の映画じゃないとダメというわけではなく、落とし方や展開的が少し捻ってあるので、全体の質が最高でもないのにそこだけ捻られてもなぁ、と思ってしまう。

展開
宇宙船と大量のエイリアンが来て1人の人間がエイリアンになって宇宙船と2匹のエイリアンが元の星に帰る。大量のエイリアンとエイリアン化した主人公は放置。この映画は問題をぜーんぜん解決してない。

ビミョい点
・まず宇宙から来た宇宙船とエイリアン、という時点で人間よりも科学技術が進んでいるのが想像しやすいと思う。実際科学技術は進んでいるっぽく、武器は強力であるという描かれ方をしている。エイリアンの方が頭が良さそうなモノだが本作のエイリアンは話が通じる程度の知能はあるけど普段は野良犬みたいな行動をしているというよく分からない設定。かと思えば主人公より頭の良さそうな個体もいる。女王アリ的なトップの個体が居ないのに指示待ち状態、という設定が一応あるのでこのエイリアン自体は働きアリみたいなモノで能力自体は低く、宇宙船を設計したわけではないのかもしれない。が、モンスターやゾンビみたいなエイリアンと知的なエイリアン、加えて強力な武器や兵器を描くために周りの設定を合わせたように見える。
・主人公が死の際でも他人の為に戦えるようになる、みたいなテーマがあるが、なんか前フリの差し込み方が微妙。ラストで主人公の身体が治るのに3年かかりますみたいな話でキレて知的なエイリアンを殴るシーンがあるが、その前にめちゃ熱い共闘をしているのであれあった後にその行動しちゃうの…と共感しにくくなっている。UIがアイアンマンみたいなめちゃ強い兵器に乗ってるくせに1度知的なエイリアンを見捨ててそのあとやっぱ助ける!つって帰ってくる。ここもえーここまできて逃げんの…って落胆してる時に助けに行きはじめてなんか急だな…って置いてかれちゃう。
・軍みたいな組織に主人公が捕まり、輸送中にすぐアウトローな奴らに横取りされてそいつらにそのまま捕まっていて、ついさっきも捕まるとこ見たなぁ、となった。アウトローな奴らは人間なのだが、展開的にはこの組織から武器を得るというだけなので、知的な他のエイリアンにこの役割を担わせて仲間のようにしても良かった気がする。アウトロー勢力がいなくても軍でピンチはいくらでも作り出せるので。このアウトロー、呪術を信じてエイリアンを食ってその力を欲しがってるみたいな設定があるが、それを黒人にやらせているのもまたどうなのか(宇宙船がある場所が南アフリカという設定)。その呪術設定もなんか甘くてこの勢力が頭が悪いからそうしているように見える。
・落ちてない。オチが主人公はエイリアンの姿になっても妻を愛し続けたのでした…みたいな感じだが、妻との直接の絡みのシーンがほとんどないので愛してるんだろうけど、知らね〜…となって納得できない。加えてエイリアンがたくさんいて困ってるという状況は変わらないし、エイリアンを別の場所に移住させたらしいがその場所は主人公いわく強制収容所みたいな待遇らしいし、エイリアン視点でも何も良くなってない。3年後治療しに来る、仲間を助けに来る!と知的なエイリアンが息巻いて去っていったので宇宙船が帰ってくるという描写をラストに一瞬でも入れてくれたらめっちゃ良かった。もうそう思う事にする。
・CGの質が気になる部分が多少ある。見れない程じゃないが冷めはする。

注意
・グロい。人が吹っ飛ぶ系と虫のグロさ。

良いところ
・ずっとここからどうなるんだろう!というワクワクドキドキな期待をとても抱く展開。風呂敷の畳み方が良ければいろんなところに目をつぶって良い作品だったという印象になったと思う。
・主人公の演技。バカそうなとこから必死なとこまで見てて没入できた。
・エイリアンの銃、兵器のデザイン。カッコよかった。ただこのエイリアンが作った感もないし似合いもしない。
・エイリアンの演技(CG)。トランスフォーマーのバンブルビーみたいでよかった。
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