ふじ

第9地区のふじのレビュー・感想・評価

第9地区(2009年製作の映画)
4.3
最初はエイリアン(愛称:エビ)を人間の敵として観る方も多いだろうが、その概念を見事に覆す。
最終的にエイリアンを応援すらしたくなる稀な映画。
ただしエビの見た目が受け付けず、感情移入が出来なければこの作品は最後まで少し退屈なものとなるだろう。
描写的にはちょいグロ、ただ血の色も赤ではない分いくらか見やすいかと。

今回この作品は人間とエイリアンの種の異なる生物たちの対立について描かれているが、これは今日における(種は同じであるにも関わらず)白人と黒人の対立に置き換えることができる。
また第9地区の舞台を世界で最も危険なヨハネスブルグに持っていくことでリアリティが増幅させ、現実世界で今起こっている問題をよりはっきりと浮かび上がらせるなど一つ一つの演出が素晴らしい。

ラストシーンは泣きはしなかったものの、ずんと重くのしかかるものがあった。
メッセージ性の強い素晴らしい映画。

最後に余談
主人公がキャットフードを食べるシーンは思わず真顔( ˙-˙ )になりましたw
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