ペコ

マイ・プライベート・アイダホのペコのレビュー・感想・評価

3.0
カウボーイ、何も無い土地、焚き火、男同士。『ブロークバックマウンテン』を思い出した。そしてやはり切ない…。orz
ゲイのようなブロマンスのような話には焚き火が必要なのか。揺らめく炎に照らされる顔は乙女のよう。
セックスシーンはまさかのストップポーズのみで終了という、素っ気ないのかアートなのかよく分からない演出。笑
色合いが綺麗な作品で、とにかく眺めてるだけでも目が幸せ。ゲイ雑誌の人物写真が会話するシーン好き。

話は、ナルコレプシー(発作的に眠気や怠さに襲われる病気)の男(フェニックス)と、パパの遺産が手に入ればうはうはな男(キアヌ)がすれ違い、別々の人生を歩んでいく話。
家庭を知らず、やっと金ではなく心から尽くしたいと思った人は、知り合ってすぐの女と恋仲になってしまう。愛とは一体…。
生や死だけは平等にあるが、用意された選択肢はこんなにも違う。ナルコレプシーじゃまともな就職は難しいのだろうか。理解されにくい症状。誤解もされやすい。
この映画は、主人公がそこから道を切り開こうとはせず、流れに身を任せたまま終わる。2人の生き方の違いから、これが人生なのだと諭すように伸びる一本道。
そうだね、ヒーローばかりじゃないよね世の中。
ラスト、地平線まで続く道に1人倒れる主人公。さらにそこへ追い剥ぎが。どうしようもない感じと爽やかな音楽には『グライドインブルー』のような余韻を感じました。
ペコ

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