紅茶

ミス・ポターの紅茶のネタバレレビュー・内容・結末

ミス・ポター(2006年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

部屋を片付けていたら出てきた懐かしの作品。『ピーター・ラビット2』公開に合わせて鑑賞。
ビアクトリス・ポターという人物に照らした映画であり、"ピーター・ラビット"が必ずしも焦点にはなっていない。更に注意すべきところはこの映画は"ピーター・ラビット"が出来るまでの過程を描くものではないところ。というのも冒頭のシーンで既にポターの頭の中で練り上がった"ピーター・ラビット"の構想を基に出版社にこぎ着けるところまで来ている。あくまで本作はビアクトリス・ポターの結婚観と女性の自立性を中心に描いているが、とりわけ大企業による土地開発の流れに一矢報いるためにナショナルトラスト運動の一環として、約4000エーカーほどの土地を買うこの行動には敬いの気持ちで一杯になる。映画からはビクトリア朝時代を生きた一人の女性ポターの激動の時代が伺えるが、ちょうどビクトリア朝時代が終わる1901年の翌年に"ピーター・ラビット"が出版されたという事実は、イギリス社会における女性の立ち位置の変化をキャプチャーした瞬間でもあって、なかなか興味深い。
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