へちまびと

日本のいちばん長い日のへちまびとのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
3.2
日本が敗戦を受け入れる顛末を描いた作品。
過激な継戦派が跋扈した時代を知る人がまだ生きてる時代に作られた映画。
リブート作品もあるが、鬼気迫る感じはこちらが上。

明治以降の軍国教育の末「軍隊は命令で動く、命令を発した者が死んでも命令は(捏造だとしても)生きている」という、テストで点を取ることに特化したみたいな発想の連中が国の中枢で「頭脳」とされていた事が垣間見える描写は、片腹痛いというかなんというか、そんな国は負けて当然だなぁという感想しかない。

阿南の生きざま、死にざまは、個人の美徳としては美しいが、組織の中では「腹を切って責任を取る」以上のことはほとんど出来なかったという風に見える。
また、現代の視点からは「死んで詫びる」という発想が全く理解できないので、本当に70年ちょっとしか経ってないの?もっと昔の話なんじゃないの?と思ってしまう。

…などなど、色々考えさせられる映画。
日本人なら一度は見ておいて良いと思う。