ナントカカントカ1世

日本のいちばん長い日のナントカカントカ1世のネタバレレビュー・内容・結末

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

アホしかいない。物資もなければ、脳みそもない。ノータリン集団のわちゃわちゃコメディ。いやある意味ホラーか。
大人たちのごっこ遊び。
でも、これが現実だったのよね…。
なんだかなあ。

構造的には、軍部の権力がデカくなりすぎて暴走してブレーキもなくてっていう国家体制の欠陥。
中身は、意思決定者の事なかれ主義、一部のカルト信仰。妄執の仕方が洗脳的だし自己暗示っぽい。現代まで続く日本の十八番なんだろうね。
天皇、国体、本土決戦、全滅か勝利か、根性論、精神論。
終戦阻止組の言ってること全部ただのアホやんって思うけど、当時はそのロジックがまかり通っていて、それを内面化して暴走。あるいは、単に負けを認められない性格っぽいなとも思う。
しかし、どんなアホでも人を制圧する武力があれば、まかり通ってしまう。もちろんさらに上位の武力に制圧されてたのが当時の日本なのであって、皮肉である。日本を武力で制圧することの無意味さ。

日本をクーデターで制圧して戦争継続させて何になると思っていたのだろう。負けを認めなければ負けない式の精神論、国体という妄想に取り憑かれて「日本」を守ると言いながら、本土決戦して、人間の命を一億総火の玉玉砕やって何が残るのだろう。

挙句の果てに責任も取らず、復興を支えることもせず、切腹、拳銃で自殺。もうねアホかと馬鹿かと。単なる自殺願望だったのかしら。
戦地で餓死病死して生きたくても生きられなかった方々もいるのに、内地でのうのうと飯食って生きて馬鹿みたいに理想を語って他人の命を平気で奪って自分の死に場所を選べて、どの面がーって感じ。

一生懸命貶してみせても後からならなんとでも言える。やるせない。なにより現在進行系で同じような「失敗を認められずにあらゆる言い訳を考える」体質や「国という妄執から逃れられない」体質が面々と受け継がれているのをひしひしと感じてずっと同じだなあって思うなど。