かささぎ

日本のいちばん長い日のかささぎのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
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・ポツダム宣言受託決定より玉音放送を流すまでの諸般の手続き、そして近衛兵のクーデター未遂を描く。広島、そして長崎に原爆を落とされてなお国体保持のため本土決戦に持ち込むべきとする陸軍の主張は、「勝たねばならない」「敗北は死」というくだらない洗脳(信念などではない)の結果である…と今この時代、反戦を思う人間は考える。決起に反対する師団長を殺害、宮内庁に突撃し玉音盤を奪おうとする近衛兵。首謀者である畑中の見開かれた目。終盤、電話で言われ、クーデターをあきらめたきっかけとなったとある言葉の向こうにあるのであろう日本の姿はもう幻影だが、しかし今この時代においても、その幻影を求める人間は少なからずいる。8月15日を起点に、まるで暗渠のように流れるその幻影を決して本物にしてはならない。
・脚本は橋本忍。彼のもとでいったいいくつの名作が生まれたことだろう。黒澤作品の常連役者たちも顔をそろえる。誰やこのイケメンと思ったら三船敏郎だった。
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