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弓のよのネタバレレビュー・内容・結末

(2005年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

性欲の更に奥まで突っ込んだ、無垢な少女を自分色に染め上げたいという願望に、道徳から外れている等の理性的な指摘を越えた生理的嫌悪を私は覚えるのですが、そこにアーティスティックさを見てしまうのがキム・ギドクの非凡性かつ彼の作品を唯一無二たらしめる要因なのでしょう。

観客と同じ視点を持つ青年に困惑の目で2人を見張らせ、観客がそう望む通りにことが運ぶのかと思いきや、老人が最期に放った弓の軌道とそれがもたらす結末に虚をつかれました。本当に気持ち悪いけど、ここまで我を貫き通されるともはや拍手を送るしかない。

やたらに艶めかしい純真な女の子と、彼女の処女性を何に替えても守り抜くと誓った老人の奇妙なコントラストがいやに幻想的でした。この映画で思い出したけど、そう言えば源氏物語もだいぶキモいことやってたなあ。
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