小説『ファニー・ヒル』（ある遊女の回想記）は1748年にイギリスのジョン・クレランドによって書かれ、最初の近代性愛文学と言われ何度も映画化されている。

この作品はスウェーデン版で映画化としては２番目に古い作品。

19歳の純真無垢な娘〝ファニー・ヒル〟は仕事を求め田舎から列車に乗ってストックホルムへやってくる所から物語は始まる。

列車で知り合った女性に怪しい仕事を紹介され、金持ちの男たちと情事に耽る…田舎娘は都会の華やかさと快楽に浸るが偽物の愛に満足感はない。

こんな内容は今では珍しくもないが、この小説が出版された当時は検閲を受けるなど色々な意味で衝撃だったのだろう。

しかし当時も現実には〟ファニー・ヒル〟のような女性はいたであろうが、それをオープンにし官能的に描いた事で大衆に共感されたのかもしれない。

映画の中の〝ファニー・ヒル〟役の女優が、自分的には残念ながらハマらなかった…それはどう見ても純真無垢には見えないから。

ただ男を知らない田舎から出できた純真な〝ファニー〟が、男たちと絡み合うにつれて顔つきや仕草に娘から女に変わっていく様が妙に悲しく映る。

周囲から見ると華やかで楽しそうにも見えるが、友人から『楽しいのはいいけど、何か得るものはあるの？』と言う問いかけに気丈に振る舞うが核心をつかれた表情は良かった。

人はそう簡単に変わらないと言うが、環境と出会う人によって影響を受け変わる事もある…それは良い意味でも悪い意味でも..★,