1970年代半ばの西海岸、サーフィンが根付く街ドッグタウンでゼファーサーフショップに屯していた少年たち。ショップの店員から新型のポリウレタンホイールのスケートボードを得て夢中になった彼らが、スケートボードの画期的なスタイルを開発して通称"Z-Boys"として世に名を馳せる様を描いたキャサリン・ハードウィック監督作品です。
平面でのアップライトスタイルが中心のスケボーが斜面を使うアクロバティックに移行する所謂「第二世代」の中心Z-Boysの実話を基にした作品で、少年達の無邪気な魂がボードのイノベーションや格好の遊び場となる空のプールを生み出した水不足らの時代の後押しを受け、意図しないムーヴメントに巻き込まれ激しく上下する様を綴ります。
アメリカの不良少年は黒人ならヒップホップとバスケ、白人ならパンクとスケボーという時代がありましたが、それより1世代を経た本作が描くのはストリートで燻る少年がそこで得た技術でのし上がってはセルアウトに翻弄される姿という融合とも言えるもので、各々形は違えど青春時代の渇きや輝きは全世代共通なのだと思わせる一作です。