トモミ・ニシムラ演じるOLが、現金輸送車を強奪するも車内の金庫に閉じ込められた恋人を救う為に奔走する「洗礼」の吉原健一監督によるサスペンス。

タカシ・マツオ演じる恋人がヘルプの電話を掛けるも、主人公は丁度輸送車強奪事件のニュースをテレビを観ている最中。（その後すぐバレるも）容疑者一人一人の紹介が始まると気をそらす為に「今君の家の前から電話を掛けてるんだよ～」と言って機転を利かせたり、彼に言われて小型爆弾とリモコンを持って輸送車の有る場所へ向かうも検問に遭い（工事現場のリズミカルな音が緊迫感煽るBGMとして機能してるのがgood）、怪しまれ警察に連れてかれ思わず個室トイレで爆弾を呑み込んだりとスリリングな場面が次々と。

その後も途中で落としたリモコンを追い掛けて警察車両に忍び込めばマンホールの中に入ったりと踏んだり蹴ったりで、光が当たるとリモコンのタイマーが少しずつ減っていく設定も良いのですが、電話のお金が無いからといって自販機を壊し（！？）警官に捕まる辺りから不自然さが目立ち、強奪の共犯者に恋人と一緒に束縛されるも近くに拳銃が有って・・というのも都合が良過ぎる印象で、愛想が尽きたのは分かるもののなんとなく煮え切らないエンディングを迎えることに。

爆弾の仕組みを見落としてた可能性有りますが、呑み込んだ爆弾についても「未処理」状態。そこそこ面白いですが、ストーリーもキャスティングもふまえると真面目な感じよりもっとコメディに振り切った方がより面白くなった可能性が高いと思える惜しい作品でした。

ビートきよしにジュン・トガワ、眉毛が太いナオコ・イイジマ等もチョイ役で出演。

記録(西村知美主演♪自主映画、サスペンス)

吉原健一の初監督作品。松尾が悪友に誘われ、現金輸送車を襲撃、しかし社内の金庫室に閉じ込められてしまう。薄くなる空気。西村知美が彼を救うべく、爆弾とリモコンを持って現場に駆け付けるが、途中、爆弾onのまま呑み込んでしまう、といった展開で、面白くなりそうだが、結構雑で、サスペンスなど無縁、コメディでもない困った作品。アルゴではなく日本ビクター製作。
シネマアルゴ新宿にて