Siesta

インサイダーのSiestaのネタバレレビュー・内容・結末

インサイダー(1999年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ヒートに続き、マイケルマン×アルパチーノ アルパチーノのカッコよさ、もしかすると今作が史上最高なのでは?と思ってしまうほど 苦悩する不憫なラッセルクロウは、後年のグラディエーター、ビューティフルマインドとも重なる クリストファープラマーの正義と保身のバランスの生々しさは最もリアルなのではとも
冒頭、アラブの危険な街並みを麻袋を被せられて連行されるシーン 危険を顧みない彼らのジャーナリズムの姿勢が示されていく そこからのタバコ産業の闇の暴露とそれを揉み消そうと迫る巨大産業の悪の手 でも、タバコが健康に悪いなんてことは、もはや今では自明のことだしなぁとか思わなくもないけれど たしかにアンモニアを混入させて依存性を高めていたのは激ヤバだけども 演者に近くカット割の多いカメラワーク 覗き込まれるようなカメラワークも印象的
闇を暴こうとして、インタビューを受けて、いざ告発、というところで、テレビ局とタバコメーカーの癒着と圧力により揉み消される どこの州とどこの州が訴えて、とかの紆余曲折もあり、ワイガンドは家を追われ、妻と子供は離れ、追い込まれていく さらに全米で彼の発言力を貶めるために歪曲されたスクープを拡散されていく このやり取りのいざこざ ここが今作でも面白いところ でも、それでも信念を曲げないバーグマンがカッコいい 妻の助言を受けて諦めずに先手を打つ まさかにニューヨークタイムズへの逆スクープ インタビューの隠蔽を暴露し、ボスの罪も暴く そこで遂にインタビューが放映される この時のワイガンド 何度か繰り返し挿入されたインタビュー映像ではなく、そこで彼の真の姿を社会に見せることができたことでやっと娘たちと向き合えるというその視座 そして、それでもなお、信頼は取り戻せないと、曲を去るパチーノの後ろ姿はあまりにもカッコ良過ぎる
ただ、たしかに彼はかっこいいのだけど、こちらもヒート同様に家庭を顧みない男のロマンチシズムへの自己批判的姿勢はないんだよな それに、やはり冗長なサイドストーリーや事件の挿入はドラマ的な作りだなとは思ってしまう 映画のテンポ感にしては個人的にはやはりたるいと感じてしまう
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