世界で一番バカでマヌケと評された男が、人生を駆け抜けて、時代を駆け抜けて、ようやく世界で一番優しく美しい名前と声を持つ天使の元に辿り付き、そんな天使から世界で一番の可愛らしい宝物を、その素晴らしき人生のご褒美として授かるお話。
子供の頃にこの映画を観て育ったもんで、大人になれば女の人は当たり前におっぱいを触らせてくれると思っていたけれど、実際は全然そんな事無く、触りたいのであればやっぱりフォレストの様に世界一とは言わずとも大富豪にならなければいけないのだなと、今観直すと改めて思わされる点は恐ろしく残酷である。
別に歴史がどうだこうだのツッコミは要らないと思う、だってこれは御伽噺なのだから、ただフォレストは時代を走り抜け、人生を駆け抜けた、その先に幸せを得て、その間に多くの人を幸せに導いたという事で、これは誰の人生にも起こりうる可能性についてのお話なのだから。
『E.T.』に続きこれがBSで放映されたのは、きっと猪年の猪突猛進にかけての事だと思うが、脇目も振らず一心に身も心も一つの対象に捧げ、また一人の人間に捧げるってのはとても困難な事である。けど己の過去を嘆き、悔み、そこに留まるどころか振り返ってばかりの人生よりは、一歩でも今より前に進む人生の方が、多くの可能性に恵まれるのではないか、この作品がもたらすそんなポジティブなメッセージは、いつの時代も誰かの胸に突き刺さるのではないか。
「人生はチョコレートの箱みたいなもの、開けてみないと分からない」
「バカをするやつがバカなんだ」
「神様の贈り物に努力を足せば人生は変えられる」
「僕は賢く無いけど、愛が何かは知っている」
「前に進むには過去を捨てなさい」
「人それぞれに運命があるのか、それとも風に漂っているだけなのか、たぶんその両方だろう」
「おしっこがしたいです」
と様々な名台詞を残す作品であるが、人の一生とは分からぬ物だと思うし、愛とはやはりその人の最期を看取る覚悟を持つ事なのかなとも思う。そして俺は今、某ランチパックの友達より大事な人と評される人物にはこの台詞を送ってやりたい。
「本当に必要なお金は僅かで、後は全て虚栄だ」
だからあの100万は、いや100万だけ残して後は全部俺にくれ、フォローもRTもする気は無いが、頼んだぞ。