くるみ

ゴジラのくるみのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ(1954年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2014/06/13
デジタルリマスター版をリバイバルで鑑賞。

初代「ゴジラ」がこんなに人間ドラマだとは思わなかった。山根博士が貴重な生物を殺すことへの嫌悪を表明するところから始まり、政府が情報をどう取り扱うかの議論、尾形と芹沢、恵美子の三角関係、研究との葛藤まで散りばめられていて、ゴジラはむしろ狂言回しに感じました。

特に、恵美子のキャラクターです。添え物のヒロインになってないところがたいへん良かった。
芹沢の研究内容を見るシーン、彼女は驚きと恐怖のあまり気分を悪くするのですが、彼の研究をおぞましいとは言わないんですね。父親からの教育が大きかったこともあるんだろうけど、研究の価値と個人の感覚を別物として考える価値観は、当時の女性キャラとしては斬新だったのでは?
その後、芹沢の研究内容を明かすのにも、ゴジラによる惨状がちゃんと描かれていたので違和感がなかった。芹沢の最後の選択も、同様です。

ゴジラが、ただ恐ろしいだけの怪物ではなく、人類の負の遺産であり、貴重な生き物だという多様な価値観を産んだことが、本作の素晴らしさだなと思いました。
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