masudasantaro

ゴジラのmasudasantaroのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
5.0
日本人の誰もが知る怪獣ゴジラ。
その奇跡の1作目。

相次ぐ船の沈没事故から始まり、東京へ遂に姿を現わすまでの忍び寄る不安感、恐怖感たるや。
ドスゥン、ドスゥンとどこからか聞こえてくる巨大な足音。
ジョーズのおなじみのあの音楽の元ネタはこれではないのか、誰かジョンウィリアムズに聞いてほしい。

公開はなんと、1954年。
終戦からわずか9年後のこと。
シン・ゴジラも震災から数年での倒壊シーンなどが少なからず物議を醸した。
ましてや、戦争のトラウマなど強烈なはずだ。本編には、戦時中を思い出させる病院でのシーンや、戦争で亡くなったお父さんの元へ行くのだと諦めてしまう母子のシーンもある。

怪獣が出てくる映画なんて子供騙しの娯楽に過ぎないと思ったら大間違いだ。
戦争への反省、繰り返される水爆実験への警鐘。

東京への襲撃から海へと去っていくゴジラ目掛けて戦闘機がミサイルを撃ち込む。
その様子に湧く大衆。
しかし、ゴジラが目の前から去っただけで何も脅威は消え去っていない。
大本営の虚偽の発表に歓喜していた戦中を暗に揶揄しているのではないか。

そして最後は芹沢博士のオキシジェンデストロイヤーでゴジラは骨と化す。
あ、ネタバレ…うっかり。

ゴジラ殲滅を喜ぶ人々。
しかし、それと同時に東京湾内の中の生物も皆死に至っているのを理解しているのだろうか。
依然として水爆実験は続いていることをわかっているのだろうか。
芹沢博士の想いは、海の底へ消え忘れ去られてしまうのだろうか。

山根博士の最後の呟きから65年。
世界にはまだ核が溢れている。
考えさせられる映画です。


…宝田明はどこに出てるんだろう??って結局最後までわからなくて、キャスト概要見てビックリ!!メインキャスト!若すぎ!平成ゴジラシリーズのイメージ強すぎて、あのビジュアルで探してもうてた!
masudasantaro

masudasantaro