BK477

塔の上のラプンツェルのBK477のレビュー・感想・評価

塔の上のラプンツェル(2010年製作の映画)
3.8
ディズニー史上、最もヒットした作品の一角。

さすが天下のディズニーで老若男女楽しめる作品。
ディズニーの長編アニメは世界中の子ども達へのメッセージが核としてあり、普遍的なテーマが扱われることが多い。中でも、ほとんどの子どもが共感できるように家族関係がテーマになる事が多く、本作は親子関係が主な話。

人間の持つ「あこがれ」は止められない。
いわゆる"毒親"に束縛されるヒロインが自立するというわかりやすい物語であるが、外へ飛びだそう、挑戦しよう、夢を追いかけよう、というのは普遍的であり、力強いメッセージ。

親のしつけは祝福でもあり呪いでもある。
塔には鍵もかかっていないので物理的には自由に出入りできる、しかし親の言葉それだけによってラプンツェルにとっては一歩も外に出ることのできない強力な結界であることを見せつけられる。
(これは精神科医 名越先生の受け売り)

それだけ、子にとって親の言葉は強力な呪文。
なので、親たる者は気をつけなければならない。

「これはお前のためだ」が口癖になっている親はじっさい多いと思われ、
これを見た親御さんは、ふだん自分が子に言っている事が本当に子のためなのかを、改めて自問するだろう。そういう親側への教訓も忘れない所が天下のディズニーの手腕。

ディズニー作品は常に、一緒に観る親と子、それぞれにそれぞれのメッセージが含まれている。これがディズニーたる所以であり、ディズニーがすべきことである。
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