このレビューはネタバレを含みます
愛してると言いながら、ラプンツェルの意思を挫く嫌らしい毒親である魔女と、精神支配から逃れようと踠くラプンツェルの描写に力が入っていた。それを見守るユージーンが面白い。
しかし、こうも現代的な毒親像を描いておきながら、血の繋がった親に会えたからめでたしめでたしというオチは救いがないと思う。まだ見ぬ王子様を夢見るのと違って。
ディズニープリンセスらしさと、そこからの脱却の両方をやるために、こね繰り回して組み立てたストーリーなんだろうなと感じてしまう。
童話の根幹の因縁を改変してまで、美貌と若さに執着する老婆と、無垢で健気なヒロインという昔ながらの対立構造をわざわざこの時代にやるかね。通いつめていた人のいた、世界に一輪しかない花を摘んでしまった王家はなかなかに酷い。
襲いかかろうとしてきた悪党が、歌で一斉に改心するなんて描写はディズニー初では。