アキラナウェイ

トラベラーのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

トラベラー(1974年製作の映画)
3.9
イランを代表する巨匠アッバス・キアロスタミ監督による1974年公開の作品。

「友だちのうちはどこ?」が良かったのと、72分という短尺に惹かれて鑑賞。

サッカー好きの10歳の少年がテヘランで行われるサッカーイラン代表の試合観たさに、周りの人達に嘘をついて金を稼ぎ、バスに乗り試合会場に向かうが—— 。

兎にも角にも…

 "サッカーの試合が観たい!! "

何が何でも…

 "試合が観たい!!"

「友だちのうちはどこ?」と同じく、描かれるのは少年の真っ直ぐな心。しかしだ。この作品の少年はちと問題ありだゾ。

何せ手段を選ばない!!

フィルムの入っていないカメラで、子供達に「写真を撮ってあげる」と金を巻き上げる。詐欺やがな。悪い事しよる。

それでも、カメラを前にはにかむ子供達の素朴な様子にほっこりする。

嘘を重ねてでも、試合会場のあるテヘランへ。紆余曲折を経て、何とか試合が観れる!!

…ラストの悪夢(オチ)が壮絶。
こんな事って…。
思わず絶句。

日本を舞台に置き換えて、そのまんま「サザエさん」のエピソードでカツオがやりそうな話でワロタ。

シンプルな構成でありながら、悪しき行いには報いがある事を教えてくれる良作。