花とみつばち

愛の渇きの花とみつばちのレビュー・感想・評価

愛の渇き(1967年製作の映画)
4.0
三島由紀夫の小説の映画化。
時間も短く非常に観やすい。
きっと小説を読んだ方が面白そうな気がした。

物語は、未亡人の悦子はいつしか義父の情婦となるが、年老いた義父だけで満足する悦子では無かった。
若い肉体を持つ園丁の三郎に興味を抱くのだが彼を「征服」出来ない。
掌を炎にかざし酷い火傷を負う悦子。
いつも悦子だけが苦しむのだった。

悦子の苦しみとは真逆の三郎の無頓着。
権力に支配されている三郎の反発が無頓着となり悦子を無視し続けている気がしたが、二人はそれだけでは終わらなかった。( 三郎は無頓着以外に置物の件にしても掴み所が無く理解できない )

悦子を演じる浅丘ルリ子の着物姿に蛇の目傘。それに不釣り合いな指先の長い爪。非常に妖艶で美しく、プライドを傷付けられた女の気持ちがラストすべてに込められている。
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