このレビューはネタバレを含みます
1,2に引けを取らない、素晴らしい映画。いやー、ほんとにすごい。1から3までぜんぶめちゃくちゃおもしろい映画なんて他にあるか?バックトゥザフューチャーとか?いや、バックトゥザフューチャーよりおもしろいんちゃうか。(いや、単に自分の好みなだけか)
話の構造的には、2に近い。というかボスキャラはかなりかぶってる。動機もキャラクター造形もほとんど同じやん。
だけど、物語として今までと一番違うところは、ついにアンディとお別れするというところ。しかも、ちゃんと。おもちゃたちにとっては、完璧なお別れだったんじゃないか。別れの痛みは当然あって、でもおもちゃの役割として、いつか卒業しなきゃいけない。むしろ遅すぎたくらいだ(アンディは大学生になる)。1,2と通じて何度も聞いたウッディの「あばよ相棒」が、こんな意味を持つなんて。にくいですなあ。
そして仲間たちの協力、救出、バトル、脱出と、映画として完全にスペクタクルになってる。すごい。
あと、エンディング近くでウッディが機転を効かせてあるメモを書く。これ、一時停止しないと見えないくらい一瞬しか映らないのだが、仲間たちの行く末を決める大事なメモで、たぶんボニー(近所に住む、おもちゃを大事にする優しい女の子)の住所を書いている。で、これ映画観ながら、ウッディの書いたメモに向かってゆっくりズームしていって終わるんやろなーとか思ってたら、最後までそのメモは出てこなかった。これは意外だった。言ってしまえばそういった分かりやすい王道な盛り上がり演出でできている映画なので(そしてその分かりやすさがまったく嫌味じゃないところがすごい)、そういう分かりやすさを最後の最後でやらない、というところに驚いた。いや、見せなくてもわかるでしょ?というところか。しかもまぁ、住所のメモでしたーって見せられたところで、納得感はあっても感動はあんまりないな。
キャラクターとしてはウッディもいいんだけど、やっぱりバズが最高。
そして今回も、音楽が最高でした。とくにエンディングの、「きみはともだち」のフラメンコバージョンなんて最高や。
ちょっと気になるのは、サニーサイド保育園にはじめて行ったとき、穏やかで静かに遊ぶ子どもたちのクラスが"善"で、暴れまわる子供たちのクラスは"悪"あるいは"ハズレ"かのように描写されるところ。
1のシドも同じような問題があるが、おもちゃが壊れるくらい乱暴に暴れまわる子どもはダメだ、というのは狭量な見方だと思う。あの子たちは別に人を傷つけているわけではなく、本気でおもちゃで遊んでいるだけである。なにも悪いことはしていない。
まぁおもちゃの対象年齢が合ってない、ということなのかとも思うが、嫌な感じに見える。言うことをよく聞くおとなしい子どもが正解、なんていうのは明らかに人として間違いだから。
そういう考えが透けて見えかねない演出に、やや不信感を抱いた。
(4は未見だが、ひどい出来と聞くので、ここまでいい映画を連発されると、観るのが怖い)