いや久々にめちゃいい映画みた。橋口亮輔ええわ。序盤の翔子とかなおの言い合いのシーンの長回しで引き込まれた。この2人の価値観の違いが会話の中にうまく取り込まれてて、脚本力あるなと。だんだんの翔子の精神バランスが崩れて行くあたりは、カサヴェテスの壊れゆく女を思い出した。舞台設定が90年代ということもあり、フィンチャーや黒沢清の諸映画みたく、かなり彩度を抑えた映像もいい。
リリーフランキーは毎回本当にいい演技なんだけど、この映画に関しては、木村多江は素晴らしかったた。セリフもなく、ただ撮られているだけで、ショットになる凄い女優。こんなに虚ろげな表情が絵になる人はそうそういない。あと、とにかく俳優陣も豪華よね。寺島進がやかるシーンはやっぱええし、肺気腫だって言われてるのにタバコを吸う、柄本明も出番少なくともやっぱりインパクトある。