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沈丁花の2秒前のレビュー・感想・評価

沈丁花(1966年製作の映画)
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素晴らしい、「行き遅れモノ」の傑作。
花のような四姉妹と母親が並んで歩く冒頭からもう最高。セリフはセンス抜群で、かけ合いはまるで唄のように小気味良い。
女は賢く男は皆んな馬鹿(この映画の男はことごとく、京マチ子が言うところの「カバのような」馬鹿面を晒す)という世界観が良い。
宝田明の使い方が実に贅沢。彼を巡って長女(京マチ子)と次女(司葉子)ですわバトル勃発‼︎となるのだが、結局宝田明が妻帯者と分かって母(杉村春子)を含めた女三人で笑い合い、叔父(加東大介)は事態を飲み込めていない。このシーンの素晴らしさ。男には入る余地のない感じな。
京マチ子と杉村春子の潤んだ瞳の切り返し。一人座る杉村春子のロングショット。泣かいでか。
笑いに笑って、最後に泣く。ああ、良いもん観た。
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