【1951年キネマ旬報外国映画ベストテン 第6位】
『巴里祭』ルネ・クレール監督がゲーテの『ファウスト』を翻案した作品。英国アカデミー賞では作品賞にノミネート、キネマ旬報ベストテンでは第6位に選出された。
素直に面白かった!悪魔の力で若返った教授と老教授に成りすます悪魔メフィスト、二人のドタバタをコメディチックに描いた作品。
「人間は悪魔より邪悪だ」と悟るラストシーンが印象深い。若返った教授を演じたジェラール・フィリップが溌剌とした魅力を振りまいている。
フランス映画らしいペーソス溢れる雰囲気、テンポの早い展開力、ルネ・クレールらしい作品と言える。
風刺の効いたゲーテの翻案はクレールらしく小気味が良い。人間の残酷さを描いた展開も面白く、今までイマイチピンとこなかったクレールの作家性が存分に発揮された快作と言えるだろう。