次々仲間が増えていくのが楽しい。尾田っちがジャケ描いてるから分かってはいたけど、思ったよりワンピ。
次郎長（小堀明男）がお蝶（若山セツ子）と別れる場面で、お蝶が「そんなの嫌ッ」と顔をそむけるそぶりでカットが切り替わってその横顔を捉える瞬間にゾクリとした。その場面に限らず、女性が翻る瞬間をアクションつなぎで捉えることが多い。
にゃあにゃあ言いながらついてくる鬼吉（田崎潤）の愛嬌ったらないし、掴みどころがないようできっちり筋は通す綱五郎（森健二）も良い。
大政（河津清三郎）のくだりはシリアスな感情が根底に流れていて、妻に別れを告げられるシーンの二転三転する芝居が見事。その後ヤクザ者に堕ちてわざと落ちぶれた格好で子分にしてくれと嘆願する場面が泣ける。
