ねこまち

es [エス]のねこまちのネタバレレビュー・内容・結末

es [エス](2001年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

人間は弱くて時に恐ろしい生き物だと思った。
囚人役と看守役で無作為に別れて実験するんだけど、環境や役割によってここまで人間は変わってしまうものでしかも、実際の事件を基にしているという事実が恐ろしい。集団心理というか人間の社会性のために周りの環境に染まるように組み込まれてるんじゃないかと思う。ワキガの看守は暴走し過ぎだけど、コンプレックスが強くて、権力に弱い人ほど支配されやすいのかも。やたら、ワキガを笑われたことをめちゃくちゃ根に持って77番いじめてたし。
でも、集団心理に染まらない77番みたいに屈辱な目に遭いながらも弱いひとを助け、己を貫く強い人は集団のなかでは必要なんじゃないかとも思う。虎視眈々と機会を狙ってた38番や看守役の人も囚人に同情したり、暴力は嫌だと反対する人もいたから、人間が全員が全員集団心理に飲み込まれるわけではないのだな。とどんな人が集団心理や役割に呑まれやすいのかな。って考えながら見るのは面白かったし、心理学的にも興味深い映画だったけど、囚人役の人が可哀想すぎて胸糞悪かったからもう観ないかな。
ただ、ラストでヒロインが「やめなさーい!」って銃をぶっ放した所はめちゃくちゃ意味わかんないけど笑ってしまった無双すぎだろ。
ねこまち

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