義民伝兵衛と蝉時雨

コミック雑誌なんかいらない!の義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

4.4
前衛的な作風の、異色の傑作。
内田裕也主演・脚本。タイトルは内田裕也が好きな、頭脳警察の曲のタイトルから。

内田裕也演じる人気芸能リポーター・木滑が、1985年頃に実際に起きた事件や事故など様々な出来事に突撃スクープするという異色の内容の作品。主に扱った出来事は、「ロス疑惑」や「豊田商事会長刺殺事件」など。多くの出演者達が役を演じている一方、スクープされる三浦和義や桃井かおり、嶋大輔などは本人役で出演している。
このようにフィクションとノンフィクションが混じり合った斬新な作風で、脚本・内田裕也の発想力や才能の凄さを改めて感じた。

劇中に出てくる出来事の、実際の映像も印象的。三浦和義の帰国した際の空港でのシーンや、松田聖子の結婚式のシーンは、リポーターに扮した内田裕也が実際にその場に行き、ゲリラ撮影したというのだから面白いと思った。

内田裕也の味のある演技が素晴らしかった。ビートたけしの狂気的な演技も素晴らしく、凄いインパクトだった。他の出演者達も豪華で驚いた。

内田裕也の前衛的な発想が光る、異色の傑作だと思った。