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機動警察パトレイバー THE MOVIEのtanakaのレビュー・感想・評価

4.2
第1作OVAのアーリーデイズより続けて鑑賞。インターネットが世に出始めた頃でパソコンも今ほど普及していない時代。そんな時代において本作のポイントとなるのが、劇中のロボット達「レイバー」のOSに潜む陰謀というのがオタク心をくすぐり、且つ渋いんです。登場人物達も度々技術的な会話を繰り広げるんですが、内容も妥当。具体的には、レイバー暴走の原因はOSのバグなのか設計なのかという点。これを起点に、実は単なるバグによる事故ではなく意図的な設計であるという線が浮かび、特車二課は巨大な陰謀の解明に向けて捜査を進めていきます。また、暴走レイバーの起動プログラムを破壊しても、SRAM内のプログラム(要はメモリで動いてるプロセス)を自動修復するという会話も出てきます。そんな危ないもん作るなよと突っ込みたくなると同時に、コンピュータの事をわかってる人が監修してるなと感心しました。

本作の構成も、ロボットアニメというより、真っ当な警察ものという印象。これはOVA版からそうですが、登場人物達は基本的に足を使って地道に捜査を重ねます。そして、最後の最後にレイバーで決着をつけるという、ロボットアニメというよりも警察ドラマ色が強い構成になっていて、ここが正にパトレイバーの魅力。そんな中で描かれる個性あふれるキャラクター達の群像劇も最高です。

人間の仕事はAIにとって替わられる事への警鐘にもなっていて、30年以上も前の作品としては素晴らしいなと感じました。
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