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眠り姫のeigajikouのレビュー・感想・評価

眠り姫(2007年製作の映画)
4.0
サラウンドリマスター版 15周年特別上映
七里圭監督と草野なつか監督のアフタートーク付き。草野監督が調子崩した時の体験とリンクしたと言われ七里監督は制作時鬱だったかもと。草野監督が指でなぞりながら見る作品と。
草野監督が監督する時大切にしていることは俳優に借り物でない声を出してほしい。概念的な話しになってくるが本人の声質と役柄の声質の落とし所。

本作を見ている時、目に映る映像より音から連想する情報で勝手に脳内再生される映像で気が狂いそうになった。あの長さ以上だったら気持ち悪くなって退席してたかも💦コロナ禍にも通じる表現があった。
(本当に個人的な問題ですが主演の方の声が苦手だったのも自分にとっては苦痛の原因です。私は声フェチで声がとても気になる。男好きするタイプの声であろう甘えた感じのするちょっと舌足らずな声が苦手。
映画自体は挑戦的でとても素晴らしいと思います。)

同時上映 『DUBHOUSE:物質試行52』2012年/16分
2010年国立近代美術館における建築家・鈴木了二のインスタレーション「物質試行51:DUBHOUSE」の記録映画。建築が生み出す闇を捉えるという当初の意図は、翌年3月11日の出来事により決定的な変化を被る。
七里は、展示作品を撮影した光の部分と同じ時間の闇を冒頭に置き、その中に鈴木が描いた被災地のドローイングを沈ませた。映画館は、闇を内在した建築である。その闇から浮かび上がろうとする映画は、映画館に放たれる光であると同時に、祈りであるかも知れない。これは、極北のメタ映画であり、歴史的出来事への応答でもある。(作品解説より)
闇の深さとそこに映るドローイングに吸い込まれそうだったし異世界に迷い混んだ感じがした静かに強烈な記録映画との邂逅に打ちのめされた後の『眠り姫』の威力ときたら。
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