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十二人の怒れる男のもち猫のレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.3
気になっていたのをアマプラでやっと鑑賞。
非常に面白かった。満足度高い!
9割5分会議室で画変わりがしないのに目が離せない…どんどん惹き込まれる。
俳優さんたちも有名な方々なんだろうな。今リメイクしたら誰が演じることになるんだろうかと気になってしまった。季節はわからないがみんな暑い部屋で汗だくで熱演してたのがとても印象的で、圧倒された。おじいちゃん水飲んでと思った。ウォーターサーバーってあんな昔からあるのね。

おじいさんが老人の証言について共感して話した、「自分の言葉を人が引用したらどんなにうれしいか」は衝撃だった。いいねとリツイートの概念じゃん。現代じゃん。人間の真理だと提示された気分だった。

冒頭で被告の少年の表情をしばらく印象的に映していたので最後も少年の表情が見たかったが、あの終わり方だから美しいのかなとも思った。オーシャンズ11の最後みたいでよかった。

しかし66年も前の映画にこんなに没入するとは…キャラクター一人ひとりのスタンスや主張、立ち位置が明確でわかりやすく、綺麗だった。主人公とおじいさんの関係もよい。なんか13人目になった気分です。あの子は無罪だよ無罪!

差別も描かれてたし、時代的に人の命を軽く扱ってたんだろうなと思いつつ、主人公のように賢明な人も居たのであれば救いはあったのだなと安心した。主人公は物腰が穏やかで、でも自分対その他全員という場でも異議を唱える勇気があって、非常にナイスガイだった。
何も派手じゃない上に白黒なのに見応えが凄かった。これは間違いなく名作ですね。
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