もこもも

十二人の怒れる男のもこもものレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.3
父親殺しの罪に問われた少年の裁判で12人の陪審員が評決に達するまでの一室での議論を描いた密室劇

観終わって1人テレビの前で
拍手するほどの名作であり傑作
暑苦しい密室での白熱する議論に
釘付けになって一瞬で観終わった
真実なんて分からんけど、
疑う余地があると言う点で、
自分も含めた13人が納得して
終わる洗練された脚本が圧巻すぎる
それにそれぞれの演技力も素晴らしい
最後まで有罪を主張していた
3番のおじさんの終盤に滲み出る
弱い部分や哀愁に胸を打たれた

最初の11vs1の状況の時は
覆るなんて夢にも思わんかったし、
みんなの話を聞いて有罪やと思ったけど、
そこからの90分の議論を聞いていく中で
ほんまにゆーっくり自分の心が無罪に
傾いていって映画が終わる頃には完全に
無罪になってしまうのが爽快で気持ち良い
それに、最初から主人公の頭に
すべての反論があったわけではなく
みんなで話し合ったことで全ての証拠に
疑いの余地があるってなるのも素晴らしい

育った環境や現在の環境、価値観、
感じ方や考え方が違う12人の人間性が
この議論を重ねていく上で滲み出るのも素敵
偏見の強いおじいちゃんの話を
全員がそっぽむくシーンは印象的
無言の圧力の強さを感じさせられた
ラストの雨が上がってみんなが
帰っていくシーンの爽やかな感じ好き
もこもも

もこもも