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十二人の怒れる男のKHのネタバレレビュー・内容・結末

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ワンシチュエーションもので名作といわれれば必ず上がる1本

この作品が元祖かと思っていたがこれもTVドラマのリメイクらしい。
被告人の弁護士も国際弁護士で、かつこの時代(いまもか)被告人はスラム出身で印象が悪く明らかに有罪に傾いた殺人事件の陪審員が最後の決議で12人中11人が有罪と確信する中、一人の陪審員が無罪(有罪に疑問を感じている)とし、自分も確信が持てないので話し合いたいという。

「疑わしきは罰せず」の逆がこの時代の当たり前なのか、有罪の証拠に疑問があるけどもスラム出身だから有罪に決まってるだとか、野球の観戦に遅れるからとりあえずみんなに合わせて有罪にするという人間もいる始末で、ランダムに選ばれた性別は同じだが12人は性格も育ちも何もかも違う、中には一度出した意見は曲げないという心情で挑んでくるものなどもいるなか、冷静に諭すように皆の心に疑問の種を蒔いて、意固地になっている者の心をほぐして人間一人の命を預かっているという信念に立ち返らせるというものはなかなか見事であった。
最終的に全員自分の意見を改めて考え直し、納得した判決に意見を変えることができるという全員が陪審員たり得る人格者であったことが良い結果につながった。
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