Tai

十二人の怒れる男のTaiのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.0
彼らは一体、何に怒っていたのか?

名作と語り継がれる作品ですね。
派手な演出なんて一切なし!
一室で12人の男たちによる会話劇でこんなにも興味深く痛快な物語を作る事が出来るなんて!

とある殺人事件の陪審員をしている12人の男たちが物語を動かしていきます。
少年が自身の父親を殺害したかそうでないかを問う裁判。
これで少年が有罪となれば死刑となります。
判決最後の話し合いの席。
陪審員たちの考えを聞くと、1人を除き他は皆が有罪で一致しています。
少年の有罪は確定。話し合いの余地はない。
そう思われる中で、1人の男が主張する「本当に有罪なのだろうか?」

会話劇ってこういうことをいうのかと教わりましたね。
事件内容を会話していますが、それを再現する映像などは一切無し。
彼らの言葉だけで想像させられます。
事件当事者の少年も最初にチラッと映るだけ。
見逃したらそれで終わりなほど印象に残らない程度です。
だからこそ、公平な立場で事件を想像できましたね。

日本語と英語でも印象が変わるのかなと思いました。
〝有罪か無罪か〟ではなく〝有罪かそうでないのか〟の方が正しいのかなと。
先入観の不明確さと話し合いの重要性、さらには多数決の恐ろしさを知るに相応しい作品でした(*´∀`*)
Tai

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