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蛇にピアスのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

蛇にピアス(2008年製作の映画)
4.7
渋谷をふらつくルイ(吉高由里子)は、何をするあてもない19歳。そんな彼女の単調な日々を変えたのは、クラブで出会ったアマ(高良健吾)だった。
赤毛のモヒカン、眉と唇にピアス、背中に龍の刺青…。ルイとは全く違う世界に住むアマの、蛇のような割れた舌に彼女は心を奪われる。
しかし、なぜそこまでスプリットタンに惹かれたのか、ルイは自分でもよくわからない。アマに連れられて行った妖しげな店で、ルイは舌にピアスをあける。拡張を繰り返して穴を大きくし、自分も蛇の舌のようになるつもりであった。
店長のシバ(ARATA)は、全身に刺青、顔中にピアスというアマ以上にパンクな風貌の彫り師で、おまけにサディストだという。
シバと出会ったルイは、自分の身体にも最高の絵を刻みたいと、熱い思いに身を焼かれる。彼女が望んだ刺青は、アマの背中に彫られた龍とシバの右腕の麒麟。
しかし、ルイの背中で絡み合う龍と麒麟に瞳はなかった。そんなルイはアマと一緒に暮らしながらも、シバとも密かに関係を続けている。
どんなに探しても生きる意味が見つからない不安で空しい日々の中、彼らとの恋愛の痛みと、ピアスと刺青による身体の痛みだけが、ルイに生きている実感を与えていた。
危うくも心地よい一瞬一瞬を重ねて、毎日命を繋いでいくルイ。
そんなとき、アマが起こした暴力事件がきっかけとなり、3人の運命は思わぬ方向へと突き進んでいく……。
金原ひとみの同名小説を映画化。
まだブレイク前の吉高由里子が、激しいラブシーンや人体改造にハマっていく心情も含めてナチュラルに演じていて、彫り師でサディストのシバを演じているARATAやパンクなルックスに似合わずピュアなアマを演じている高良健吾の自然体な演技もリアルだし、渋谷のロケーションもあってユニークな青春映画に仕上がっています。
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