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宿命
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『宿命』に投稿された感想・評価

“赤狩り“を逃れフランス亡命中のダッシン監督が「男の争い」(1955)の次に制作し転換点となった文学映画。後に公私のパートナーとなる女優M・メルクーリと初めて組んだ一本。原作はギリシアを代表する小説家ニコス・カザンツァキスの『キリストは再び十字架につけられる』(1948)。

1921年トルコ占領下のギリシャ。ある町の教会でキリスト受難劇を上演することになり吃音のある羊飼いマノリオスがキリスト役に、売春婦のカテリナ(メリナ・メルクーリ)がマグダラのマリア役に、資産家の息子ミケリス(モーリス・ロネ)が使徒ヨハネ役に配される。そんな中、 トルコ軍に家を焼き払われた隣村の生存者たちが助けを求めて町に来た。しかし司祭は保身の為に彼らを追い払う。3人は聖書の教えに習い彼らに手を差し伸べようとするのだが。。。

かなり面白くこれまで観てきたダッシン監督作品の中で最も好みの一本となった。劇中で受難劇が開かれることになり役者が聖人と同一化していく構造は最近観た「モントリオールのジーザス」(1990)と同じ。両作ともに悲劇だが、占領下の町が舞台の本作はより現実的でシビアなテーマを孕んでいた。戦時下の子供が餓死していく状況で、それぞれの隣人を守ろうと銃を向け合う二人の司祭。その姿に「戦争がなぜ起こってしまうのか?」を再認識させられる。そして宗教の無力さも。

ギリシャ・クレタ島の風景の中で繰り広げられる宗教劇は一見ベルイマン監督作品のようにも見える。しかし終盤の闘争描写は同監督ではあり得ない。キリスト教系アート映画とリアリズムな抵抗映画が融合した本作。喚起される感情は強権者への怒りであり、エイゼンシュタイン監督作品と近い口当たりがした。

※カザンツァキス作品の映画化としては他に『キリスト最後のこころみ』(1951)を原作としたスコセッシ監督の「最後の誘惑」(1988)が有名。

※本作を鑑賞した今年の七夕に左翼のアイドルと言われた元・頭脳警察のPANTAが逝去した。不思議なシンクロ。合掌。
宿命に抗う若者たちの生き様映画。