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ゴーストバスターズのくりふのレビュー・感想・評価

ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)
4.0
【原子力を背負って屋上で笑う】

「バック・トゥ・ザ・シアター」での上映にて。劇場でみるのはたぶん初公開以来。

作りが薄くユルユルな全体の印象は変わりませんが、自分の映画の見方がうん十年で変わっているせいか、今回の方がずっと楽しめました。余白が多いから勝手に思い入れちゃったこともあり。

まず、バスターズが背負うゴースト捕獲装置が、無認可の原子力で動いているとさりげなく描かれてギョッとした。どんな仕組かサパリ不明ですが、ゴーストが原子力と一緒くたにされ貯蔵されてゆく…ことがメッチャ危うく映った。これじゃ環境保護局が目をつけるのも当然でしょう。

ウイリアム・アザートンがその、憎まれ役の役人を演じていますが、正義漢として描かれたらまったく違った映画になりそれも面白かったと思う。

はじめ苦労した後は、ゴースト捕獲はポンポン進み、その事例紹介が殆どないせいもあり、ゴーストよりエネルギー問題についての映画だと感じてしまった。貯蔵量が限界まで来た後、人為的にアレがアレしてしまうがメルトダウンに見えて仕方なかったです。ゴーストよりずっとオソロシイ…。

社会の爪はじきとなった男たちが、今や害悪となったエネルギー漏れを防いでゆくお話(笑)。まさに穴を塞ぐのが仕事で、ラスボスに対してもそうする他ない。

が、これって一時しのぎ。根本解決にならないけど、でもいんじゃね、と締めちゃうのがいかにもノー天気な80年代。

ちなみに本作初公開の1984年、日本では某TV局が「軽チャーっぽい」などとほざいておりましたなあ。

しかし軽さの中に実は、地雷が仕込んであったのか?と反芻できちゃったことが、なんだか収穫でした。今の視点で面白さ再発見。スカスカな映画でかえってよかった (笑)。

ふわふわと足元おぼつかぬ男性陣に比べ(地割れに簡単に呑み込まれるところ実に説得的!)、けものエロカッコいいシガーニーさんが強烈!しかしいかにもな80年代美女むき出しで楽しい。おとぼけプリチー、アニー・ポッツも脇からまろやか。

…ところで「3」はいつ完成するのでしょうか?

<2014.9.22記>
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