ダルマパワー

鬼畜のダルマパワーのネタバレレビュー・内容・結末

鬼畜(1978年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

時代の情景がよく切り取られていて、見ていて面白い、特に新宿三丁目など。壮大な音楽がまた物語に哀愁を生み、子供の声と合っていた。

子供の真っ直ぐな瞳は、どうしようもない大人達を貫く。ただ、彼らの刃には、いつだって優しさしかない。どうしようもない親にすら、愛を注ぐ。

それが何よりも痛ましく、胸に刺さる。

母親の金切り声が自分はどうにも弱い。自分が親を泣かせたときの感覚が胸によぎる。

とても日本的で、素朴な映像が心に触れた作品。

鬼畜という強烈なタイトルの反面、本作には登場人物への愛と慈悲が感じられる。どうしようもないほど腐ってるのに、放っておけない何かがある。

それでも、口の中にご飯を突っ込む演出は圧巻だった。本当に喉につまらせやしないかと心配になったほど。その点では、演出や脚本、制作スタンスそのものが、鬼畜の所業ではあったかもしれない。
ダルマパワー

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