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八月のクリスマスのKのレビュー・感想・評価

八月のクリスマス(1998年製作の映画)
4.0
とても丁寧で静かな作品。心情説明はほぼなし。優しく微笑む主人公。常に聖人ではなく、返ってその姿がやるせなさと切迫感を際立たせる。集合写真。手順書。アルバム。本来なら消すであろう机の軋む音。外から入る光。リアルの積み重ねが実在感を生む。そして“好き”という言葉を使わずに好きを表現する上手さ。傘。ガラス。コーヒーショップ。言いたかったかもしれないし、聞きたかったかもしれない。それでも最善だと感じさせられる着地。設定自体はあるあるだけど、泣け泣け系ではなくこんな愛の形を初めて見た。飾られた写真。余韻系。
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