公開当時から名作と評判の作品をようやく鑑賞。
もっとあざとい作品かと思っていたら、良い意味で韓国らしからぬ静かで穏やかな作品だった。過剰な感情表現も演出もなく淡々と進んでいくだけに、いつも笑顔の主人公から時々漏れ出る哀しみが胸に刺さる。
死ぬ準備をするはシーンは切なく、デートのシーンは暖かい。セリフも少ない映画だけど、作中の登場人物たちがそうであったよう言葉にしなくても想いが伝わってくるような良い映画だった。
日本では1999年、韓国では1998年公開らしいが、映される風景はもっと古くて90年前半、80年代に入るかも、というもの。これがより強烈に郷愁を呼び起こすし、作品の雰囲気に合っていて良かったと思う。