菩薩

男はつらいよ 奮闘篇の菩薩のレビュー・感想・評価

男はつらいよ 奮闘篇(1971年製作の映画)
4.5
シリーズ7作目。マドンナ:榊原るみ。(光本幸子も特別出演。)

冒頭、年端もいかぬ金の卵たる集団就職生達に、優しい言葉をかける寅さん。のっけから涙無しには観れない名場面な訳ですが、「あっ、俺もあの電車乗るんだった!」と、一瞬で涙を笑いに変える山田洋次。

二作目以来の母・ミヤコ蝶々との再会。まぁその前の「おなら」が原因での大の大人の大喧嘩は「馬鹿だねえ、全く…」なわけですが、その後ミヤコ蝶々が涙ながらに寅さんの幼少期の思い出を語る裏で、ジャケットの裏地を引っぺがし、ふかふかベットではしゃいじゃう寅さん…もう、どっちかにして!結果オカンとも大喧嘩で嫁探しの旅へ。

出会った女の子はちょっとばかし頭が足りない、となりゃ当然寅さん黙っちゃおれない。花子を田舎に返そうと、交番巡査と切符代をなんとか工面、寅さんが放り出す財布には決まってお金が入っちゃいないが、「なんとかなるよ」の一言の説得力と言ったらない。

メモを頼りにとらやを訪れる花子、即受け入れ可の一同の器はつるとんたんばりにでかい。花子に悪い虫をつけさせますまいと、過保護に走る寅さんが痛々しいけど可愛らしい(笑)「寅ちゃんの嫁っ子になっても良い」宣言に浮かれに浮かれる寅さんながらも、結局は恩師黒板五郎(田中邦衛)が強制連れ去り、ショックのあまりに飛び出す寅さん…(涙)

寅さんは何時だって自分の幸せは後回しで、他人の幸せばかりに気を使う。そういう男に、私はなりたい、と思いつつ、やっぱりちょっとは幸せになりたい、人間だもの。

ぼさお拝


なんだかんだ、寅さんのバレバレの変装が一番の見所。
菩薩

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