・ジャンル
オカルトホラー/サスペンス
・あらすじ
悪魔の子として生を受けたダミアンはソーン産業の社長となり32歳にして駐英大使の座にも着き、着々と支配者の座へと近付いていた
しかしこの時、キリストの再臨もまた迫っており彼の正体を知るイタリアの神父デ・カーロは使徒達と共にダミアン殺害を目指し行動を開始する
やがてその計画は彼も知る所となり、ダミアンは巧妙に使徒達を殺し自らを葬る唯一の道具である7つのメギドの短剣を1つまた1つと奪い去っていく
そしてキリストを葬ろうと自らの使徒達を集結させおぞましい行動に出る…
・感想
悪魔の子ダミアンと再臨したキリストの対峙までを描いたシリーズ3作目
完結編として製作されたが後に4作目が公開されておりリメイク版とドラマ版を経て今年には1作目の前日譚を描く最新作も公開された
1作目は個人的に地味で散漫な印象も強くはあったが荘厳で壮大、そして邪悪な世界観はキリスト教圏の人々にはさぞ恐ろしい内容だったに違いない事は明らかで一定の出来を実現させていた
続く2作目は少々陳腐化した部分はありつつも冷淡な悪のカリスマへとダミアンが成長していく過程での葛藤と狂気が魅力的だった
そして完結編として製作された今作は前作と比べ1作目の様な宗教性によりフォーカスを当てつつダミアンの政治的な陰謀にも触れられており過去作を集約した様な内容
観客の想像力に委ねつつも禁忌(子供の洗脳や乳児殺し)の描写が多く邪悪さという面では恐らくシリーズで最も顕著
しかしだからこそ悪魔の使徒集結やダミアン殺害の方法が1作目で言及された物を遵守しきっていなかった点など雑さが少々目立った
ダミアン殺害を狙うデ・カーロ神父が天文学者に当然の様に信頼されていたのもだけど粗が前半から目立つのいかがな物かな、と
何より個人的に不満だったのが1作目の様な死の邪悪な描き方が前作以上に成されておらず、最も強烈な死が序盤の前任駐英大使の自殺という事
キリスト再臨によって力を奪われつつあるとはいえ、ダミアンが悪魔の子たる所以を感じさせる描写が極めて少なく単なる過激な悪魔崇拝者の様に見えてしまっていたのはちょっと…
腹心である秘書ディーンを襲う展開は皮肉めいていて悪くなかったんだけどね…
ラストも少し安直だったと思うし…
一度完結したシリーズの続編にはあまり良い印象が無いんだけど4作目はどんな感じなんだろう?
出来ればもっと邪悪さや凄惨さ、狂気等に全振りしてくれていると自分の好みに近づくけど…
まぁ期待せず鑑賞します…