このレビューはネタバレを含みます
ゴジラの解釈違いによって国内外のファンからボロクソに言われ、挙げ句の果てに「ゴジラファイナルウォーズ」では公式にイジられた悲しき作品。
ですが、単なるモンスターパニック映画として観れば、これがなかなか良作だと思います。
エメリッヒ監督の手腕が光る画づくり。
例えば冒頭のハイチのシーンで、足跡の景色からNYの景色へ移り変わる部分は、ゴジラの進撃が始まっているという暗示と舞台の移り変わりを画として端的に表しており、非常に素晴らしかったです。
また、NYのビル街での戦闘シーンは非常に見応えがありました。ヘリや車からの一人称視点で進むゴジラとの戦闘シーンはアトラクション感があり、ビル破壊の特撮も迫力がありました。
恋愛要素やギャグ要素については、意見が分かれる部分かと思います。
個人的には、無能な市長、ステレオタイプ全開のフランス人、セキュリティガバガバの軍部なども含めて「あの年代の洋画あるある」のオンパレードで、あの時代の洋画の雰囲気に浸れてノスタルジー的に楽しめました。
(私が子供の頃金ローや日劇で洋画を食い入るように観ていたので、思い出補正全開ですが…)
残念だった点としては、子ゴジラとの戦闘シーンです。
ジュラシックパークの影響を色濃く受けているのは明白でしたが、とにかくゴジラの動きが全体的にノロく、主人公達が死ぬかもしれないというスリル感が全くありませんでした。
あと、単純な疑問ですが、親ゴジラが出てくるシーンが全て雨なのは、CGの見栄えを担保するためですかね?詳しい方いたら教えてください…
長くなりましたが、本作はゴジラとしてはイマイチかもしれませんが、ジュラシックパークの系譜にあるモンスターパニック映画として観るのが正しい楽しみ方かと思います。
p.s.「ゴジラ-1.0」楽しみにしてます。