ヤマト

女の子ものがたりのヤマトのネタバレレビュー・内容・結末

女の子ものがたり(2009年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【 どこまでも続く、私たちの友情 】
「愛しさと切なさと心強さ」を凝縮したような青春ムービー。喜怒哀楽が存分に詰まってる。幼少期に出逢って以降、親友となった3人の女子のやり取りは観ていて微笑んでしまう。映像も、レトロチックな仕立てになっていて、“地元での生活”と完璧にマッチしていた。
 なんでも言い合えて心を許せる存在の大きさを再確認できた。あらゆる経験や感情を共有した親友だ。何もない田舎だけど、何も見えない将来だけど、今となりに親友たちがいるという安心感。これに尽きる。大人になることに抵抗を示していた少女たちは、そのとき間違いなく生き生きしてきた。
 最後、親友の一人と衝突して故郷を出ることになるんだけど、切なさの中に愛しさを感じた。今この地元で幸せじゃない親友に「場所を変えて幸せになって」というメッセージが含まれていたからだ。その証拠に、親友は地元に残ってずっと菜都美の話をしていたらしい。こういうの、泣けてしまう。きみこは亡くなってしまうけど、その娘が友情を引き継いでいた。
 最後故郷を後にするとき、車窓から二人の親友が思いっきり見送っていたシーン。最高に感動した。幻想なんかではなくて、記憶のエールなのだろう。

p.s. 一番好きなところは冒頭の信号(黄色、青、赤の洋服)三少女のやり取り。無垢で弾ける笑顔の友情。「縁ガチョ」のシーンは泣きそうになるくらいに幸福なシーンである。
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