このレビューはネタバレを含みます
【 お酒とタバコとあなた 】
今からおよそ60年前の作品とは思えぬ美しさ。もちろん映像やカットもそうなのだが、やはりその殆どは、オードリー・ヘプバーンの存在に尽きる。お酒とタバコにまみれる天真爛漫な超絶美女が終始輝きを放っている。極めつけはサングラス姿。ひたすら愛おしい。
しつこいようだが、これは60年前の作品である。映画やオードリー・ヘプバーンがただただ尊い。未来永劫、廃れることのない美しさが存在するからだ。
人が掴める・味わえる幸せの種類は決まっているのではないだろうか。これは相性とも言えるし、運命とも言える。お金持ちの男に近づこうとするも、再三成就しなかったホリーのように。
換言すると、その人にしか見えない景色や味わえない幸せがあるとも言える。それこそが人生のルールなのではなかろうか。人それぞれ自分が幸せを感じる生き方をとことん堪能すればよいのだ。自分に合った生き方を信じて歩み続ければ幸せは訪れるものだ。お酒とタバコを嗜む自由なホリーがポールと結ばれたように。
オトコでもオカネでもないの。
お酒とタバコがあって、あなたがいてくれれば幸せなの。雨が降り頻るニューヨークの路地裏で、ネコを胸に抱きながらあなたと交わす情熱的なキスさえあれば、もう何もいらないわ。これがわたしの人生であり、幸せなのよ。果たしてわたしたち以外にこんなことできるかしら?