YuikiKoiwa

道のYuikiKoiwaのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
4.8
フェデリコフェリーニ作品初鑑賞。

海沿いに暮らす貧しい家庭の娘ジェルソミーナは、ある日突然旅芸人のザンパノに1万リラで売り渡されてしまう。

自分で選択する余地もなく厳しい環境に放り込まれた彼女だが、その反面変化を楽しむ心も持っていた。

行く先々での新しい出会い、未だ見た事のない景色、そしてまた次の出会いへと自分を導いてくれる道々。

絶えずザンパノからでくのぼう扱いを受けつつも、その道すがら今を生きる感動とそれを享受する喜びを積み重ねていく。

凍える寒さに夜の闇、押し寄せる寂しさを乗り越えた先にたどり着いた心持ちは、故郷にいては決して見出せぬ暖かさだった。

人は「道」へと踏み出すその日に終着点を見る事は叶わないが、その「道」は世界中のどこへでも繋がっている。

昨日に別れを告げ明日へ歩む勇気さえあれば、世界はあなたをねんごろにもてなしてくれる事だろう。
YuikiKoiwa

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