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道のnのネタバレレビュー・内容・結末

(1954年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

鎖を胸の筋肉だけで引きちぎる芸でも飯は食っていけるのだから、小石でも何かの役に立つという台詞には説得力がある。

ジェルソミーナは最初に見たものを親だと思い込む鳥と同じで、自分が役に立つ存在でいられる相手はザンパノだけだと思い込んでしまう。

個人的にこの作品の中では綱渡りの彼がとても好きなのだけど、彼がジェルソミーナを勇気づけるために言ったことばが結果的には彼女をザンパノから離れられなくする呪いの言葉になってしまったのがなんとも切ない。

サーカス団についていっていたら。綱渡りの彼と一緒に行っていたら。修道院に残っていたら。物語の中で何度も登場する分岐点。それでも彼女はザンパノといることを選ぶ。

ザンパノは誰の目から見てもろくでもない男。でも自分だって見返りを求めない無償の愛をくれた相手をかつてあんなふうに無下にしたことがあったかもしれない。し、ずっと後になってからじゃないとその偉大さってわからないよね…と最後は一緒に泣きました。完
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