marikology

道のmarikologyのネタバレレビュー・内容・結末

(1954年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

小さな芸のほか何も持たない少女が、溢れる「情」だけを、空っぽになるまで与え続ける。


離れがたい場所から旅立つときの、ガタガタ揺れながら遠ざかる人々や、後ろ向きに伸びていく道。絶対に運命に逆らえないわけではないのに、自ら従ってしまう悲しさは、あんまり感情移入の対象ではないが、うっかり生まれて来ちゃった天使が、この世で生きる術を掴み取る前に、無意識的な啓示に動かされて辿り着いた結末のように感じる。

サーカスや道化自体が「異形」だし、中でも綱渡りの青年は、芸術性と死を纏う神々しさにおいて、彼女の本能を刺激する存在だったに違いない。そして彼に言われたとおり、最後にはザンパノの心を目覚めさせる「小石」になる健気さ。
切ないロードムービーかつ宗教映画。
marikology

marikology