スローターハウス154

道のスローターハウス154のレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
3.5
2017/4/30 DVD

男と女の違いって、身体的特徴以外で決定的に違うものは「愛し方」なんだろうか。
この違いは生物学的な、本能に基くものなんだろうか。そうだとすれば現代社会で理想とされている(しかし曖昧な)、本当の意味での「男女平等の世の中」はありえないのでは....というところまで考えてしまう。

愛するということと解り合うことの違い、も考えさせられる。
解り合えないのに愛してしまうこともある、その場合寄り添い合うためには相手に対する"妥協"が必要になる。
相手に対して妥協ができなくなったからといって愛が終わるというわけでもない...。離れるべきなのに離れられない、共依存とも言うべきか。

寓話的な物語でありながら、「愛し方をめぐる男女の違い」を超えて「人間の矛盾」についても描いていた気がする。

あと、「石ころだって役に立つ」って言葉もいいけれど、修道女が言った「2年以上同じ場所(修道院)に留まれないの。馴れ親し始めた環境にスポイルされて神への信仰心が薄れてしまうから(うろ覚えなので個人的超訳)」...にもハッとさせられたね。
"慣れ"って初心を忘れさせる要素のひとつだろうからね...