キッチー

道のキッチーのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
4.0
世の中にあるものは何かの役にたっている...
旅先で出会った綱渡り芸人イル・マット(リチャード・ベイスハート)が自分を否定的に考えるジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)に言う台詞、良かったです。

物語は大道芸人のザンパノ(アンソニー・クイン)が貧しい家の子だったジェルソミーナを金で買って働かせながら、一緒に旅をするロードムービー。

どこかオドオドしたジェルソミーナが少しずつザンパノに慣れていき依存するようになっていくのですが、女好きで乱暴なザンパノに次第に距離を感じて嫌気がさしていく様子を描いています。そして事件が起こり...

ニーノ・ロータの曲「ジェルソミーナ」が耳に残るメロディ。ストーリーにも関わってくるので印象的です。
砂浜でザンパノが号泣するラストシーンはインパクトありました。

ジュリエッタ・マシーナは小さいけど大きな目をキョロキョロさせて愛嬌があるイタリアの個性的女優、理不尽な状況に置かれた少し知的障害のある女性が成長していく姿を上手に演じていました。道化の役とかコメディアンのようでもあり、演技力ありました。「ザンパノ!ザンパノ!」って叫んだり、ラッパ吹いて嬉しそうにしている仕草とか、忘れられないですね。
切ない映画でした。

フェデリコ・フェリーニ監督作品。
ジュリエッタ・マシーナは監督の奥さん。
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